生態系提供ビジネス 2018 9 2

 私は、2018年7月8日に、
日本の中小企業も「輸出」をしたほうがよいと書き、
実際の「輸出手続き」についても書きました。
 しかしながら、事務員がいない中小企業では、
さすがに難しいかもしれないと思っていました。
 日本の中小企業は、職人ばかりの企業が多いでしょう。
職人が給料計算の事務まで兼務しているのかもしれません。
そうなると、「輸出事務までやるのは、もう無理だ」となるでしょう。
 そこで、誰かが輸出代行の事務をやってくれれば、
中小企業の輸出も進むと思っていたところ、
2018年8月31日の日本経済新聞Web版には、このような記事がありました。

「アマゾン、中小企業の輸出支援 100カ国へ配送代行」
 アマゾン・ドット・コムは、日本の中小企業の商品輸出の支援に乗り出す。
アマゾンの通販サイトに出品する企業がアマゾンの倉庫に商品を届けるだけで、
100カ国・地域からの注文を受けられる。
通関を含めた輸出業務は、全てアマゾンが代行し手数料も国内配送と同水準にする。
 訪日外国人の増加で日本の雑貨や美容品などに関心が高まっており、
中小企業の海外開拓を後押しする。
 海外の消費者が商品を注文しやすいよう、
アマゾンが商品紹介のページを英語や中国語にも翻訳する。
 配送状況の確認や返品などの問い合わせも手掛ける。
配送期間は国によって異なるが、アジアなら2〜3日、北米ならば3〜4日で届けられるという。
食品や空輸できない危険物などは取り扱いの対象外となる。
(引用、以上)
 アマゾンには、感謝します。
もちろん、アマゾンも商売のために、
このようなサービスを展開するのでしょうが、
日本の中小企業とは「Win-Win」の関係で、
中小企業の輸出を支援してもらいたいのです。
 おそらく、アマゾンは、このようなサービスを、
格安の料金で提供しても、最終的には元が取れるかもしれません。
 なぜならば、アマゾンの「社風」とは、
「生態系」を提供することでしょう。
 今までは、消費者に対して「生態系」を提供していましたが、
今度は、中小企業に対しても、「生態系」を提供するのでしょう。
 アマゾンには、「夏祭り」があり、
映画もドラマも見放題、音楽も聞き放題ということで、
アマゾンの中で生活ができてしまいます。
(これは、アマゾン・プライム会員のサービスです)
 また、アマゾンで買った商品が不要になったら、
アマゾンの中古市場(マーケットプレイス)で売る。
 よくある事例が、アマゾンで買った本を読み終わったら、
アマゾンのマーケットプレイスで売るというものです。
 このような本は、新品同様なので、
本屋がない地方在住の人にとっては、
安くて新品同様の本が手に入るのです。
 こうなると、アマゾンは、小売業ではなく、
「生態系提供ビジネス」という業種でしょう。

輸出 2018 7 8
 「地域振興 2018 7 8」で取り上げた、
「ARROZ」という日本酒がアメリカの個人に売れたと仮定して、
輸出(International shipping)は、どうするかを考えてみましょう。
 さて、どうやって発送するか。
私がインターネットで調べたことを書きますので、
間違っている部分があるかと思いますが、
何らかのヒントや突破口になると思います。
 アメリカの個人に発送するには、
「EMS(国際スピード郵便)」を使います。
 普通は、税関で通関手続きが必要ですが、
EMSを使えば、日本の国際郵便局が、
通関手続きを代行してくれます。
 EMS伝票は、大きな郵便局にはあるはずです。
EMS伝票は、税関告知書やインボイスを兼ねています。
 記入は、英語となりますが、
簡単な英語なので、大丈夫でしょう。
「FROM(依頼主)」に発送者の住所・氏名を書き、
「TO(届け先)」に送付先の住所・氏名を書くのです。
「国名 Country」には、
相手先である「United States of America」と書きます。
 「内容品の詳細な記載」には、
本当に正確かつ詳細に英語で書く必要があります。
 ここで戸惑うかもしれませんが、
今は、「Google翻訳」などが品名を翻訳してくれます。
 次に、「HSコード(HS tariff number)」が戸惑うかもしれません。
これは、「輸出統計品目表」のことで、
「財務省貿易統計」というサイトから調べることができます。
清酒ですから、「2206.00 200」でしょうか。
 ただし、アルコール類は、規制があり、
アルコール度数は、24度以下のものしか送れません。
 EMSは航空便ですので、発送できないものが多々あります。
発送できないものは、事前に調べておく必要があります。
 そのほかにも記入するところはありますが、
インターネットで記入例を探せばわかると思います。
 日本と海外で違うところは、送料です。
日本では、送料と言えば、純粋に送料のみですが、
海外では、荷造りの費用まで含めて送料となる国が多いでしょう。
 日本郵便(国際郵便)のホームページには、
法人コンサルティングサービスがあります。
また、法人向けの訪問サービスもあります。
 問題は、アメリカの個人に日本酒を販売したところで、
どうやって、売上代金を回収するか。
 これは、「PayPal」を使います。
「PayPal」は、アメリカだけでなく、国際的に普及しています。
「PayPal」は、クレジットカードを使った決済システムです。
 日本にも「PayPal」はあります。
「PayPal」日本法人に問い合わせをする必要があります。
 以上、私がインターネットにある情報をかき集めて書いたものですので、
間違っているところが多いかもしれません。
 やはり、日本郵便(国際郵便)の、
法人コンサルティングサービスに相談したほうがよいでしょう。
また、「PayPal」日本法人にも相談してください。
 そのほかに頼りになるところは、日本貿易振興機構(ジェトロ)です。
ここは、中小企業の相談に乗ってくれるでしょう。
 日本は、世界最速で進む少子高齢化で、市場は縮小していきます。
中小企業も、国内市場だけでは食べていけなくなります。
海外市場へ活路を求めるべきです。
 中小企業のホームページには、よく英語版がありますが、
単にホームページを英語にして自己満足している企業が多いです。
せっかく英語にしたのですから、国際発送や国際決済にも取り組んでください。
 「気分は国際化」だけでは、ダメです。
もう一歩頑張りましょう。









































































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